イリアス

イリアス〈上〉 (岩波文庫)

イリアス〈上〉 (岩波文庫)

イリアス〈下〉 (岩波文庫)

イリアス〈下〉 (岩波文庫)

「おぬしがどういう男か、その顔を見ればよく判る。そもそもおぬしに頼みを聞いてもらおうというのが無理であった。おぬしの胸の心は鉄のようなのだからな。だがいまから考えておくがよい、いずれおぬしが神々の怒りを買う因に、このわたしがなるかも知れぬことをな、パリスとポイボス・アポロンとが、スカイア門の辺りで、おぬしを――いかに豪勇の士とはいえ――討ち取るその日のことだが。」

数々の英雄が地にその影を長く曳かせる戦場、そこにあって強力な力と熱情を持ち神の寵愛を受ける勇士・ヘクトル、そして陣屋でふて腐れて唯一無二の親友に容赦なく死亡フラグを植えつける無双の豪勇・アキレウスを軸にした逸話の群れ。
アキレウスの無二の親友・パトロクロスが俺ちょっと頑張るわとか言い出したときには、流石にちょっとアキレウスお前心中察しろよとか思ったもんですがあーゼウスが計略立てちゃったよあーあアキレウスあーあ。しかしパトロクロスの死後、哀惜がアカイア勢に伝播していく様子に心奮わされる要素があるのも、これまた確かでありまして。それほどに二人の友情は美しく、強かに思われます。


が、

この下巻を読んでいる途中にふと本屋にて、


ホモセクシャルの世界史 (文春文庫)

ホモセクシャルの世界史 (文春文庫)


こんなものを見つけてしまったんですが。
まー歴史じゃよくあるネタだしどんなもんかなーと笑いながらぱらぱらと見ていってみると、いやその一角でなんというかこう、アキレウスパトロクロスもそれっていうか、何ていうかそんな感じって話があって、ねえ。
うん。
台無しだよ。