宮崎摩耶「ゴクジョッ。〜極楽院女子高寮物語〜 1」

ゴクジョッ。〜極楽院女子高寮物語〜 1 (GAコミックス)

ゴクジョッ。〜極楽院女子高寮物語〜 1 (GAコミックス)

まさかの三日またぎ。
というわけでようやく普通にエントリ。


ざっくり言ってしまうと、この作品は自分にとってあまり百合的でない。自分の中に沈殿している、ある作品が百合と呼ばれるようになるための要件のようなものに、微妙に適合しない。その点でこれは自分にとって百合でないが、一方で、次代の百合が獲得していくだろう(また恐らく必要とするようになる)空気感を根底に持っているように思える。矛盾しているが雑感としてはそんなところ。もう少し言うと、いま自分が自分の作品に最も取り入れたい種のθを持っている作品、ということもある。
百合だと構えてみるとこういった感じになる。そのフィルターを取っ払って読んでみればコレはしょうもないぐらいおもしろい。表紙のセンターにいる主人公の亜矢が、表紙絵で見る限りはちょっと箱入ったお嬢様に見えないこともないが、扉を開けてみればこれがまさしく天性のアホである。それを取り巻くキャラもほぼ例外なくアホである。そして亜矢はよく転がる。そして尻を出す。裏表紙がゴクジョのすべてをあらわしていると言っていい。
そしてその裏表紙を提出されながらも冷静に「カバーお付けしますか」と何気ない様子で聞いたあのレジのおねーちゃんはきっと五反田で一番神に近い。